皆様こんにちはこんばんわ。
本日は”ADL”という言葉についてお話します。
私は今の職業について初めてこの言葉を知りました。
というか聞く事なんてほぼほぼなかったですし、今でこそ「ADL」とか「QOL」という言葉がテレビでもちらほら使われるようになったのかな、とも思います。
ADLは介護・医療で良く使われ、入院患者様のご家族に、今の状況についてお話するときに医療・福祉職種が使われるのがほとんどではないでしょうか。
・そもそもADLがわからない
・家族が入院していて、病院の人から説明受けるけど言葉の意味がわからない
・ADLがなんで重要かわからない
・自分にとってのADLって何？
・これから福祉業界に従事する人
ADL（日常生活動作）とは
ADLは「Activities of Daily Living」の略で、日本語では「日常生活動作」といいます。
簡単に言うと、私たちが毎日当たり前にやっている基本的な生活の動作のことです。
朝起きて顔を洗う、ご飯を食べる、着替える、トイレに行く…こういった「生きていく上で欠かせない基本動作」がすべてADLに含まれます。
具体的にどんな動作がADL？
ADLは主に6つの動作に分けられます：
食事
自分でスプーンや箸を使って食べ物を口に運び、飲み込むこと。
食べこぼしなく食べられるか、むせずに飲み込めるかなども含まれます。
排泄（トイレ）
トイレに行って、用を足して、後始末をする一連の動作。
便座に座る・立つ、トイレットペーパーを使う、水を流すなどすべて含みます。
入浴
お風呂に入って体を洗うこと。
浴槽に入る、体や髪を洗う、体を拭くなどの動作が含まれます。
※シャワーだけの場合も同様です。
着替え（更衣）
服を着たり脱いだりすること。
ボタンを留める、ファスナーを上げ下げする、靴下を履く、靴を履くなども含まれます。
移動
ある場所から別の場所へ動くこと。
歩く、車椅子を動かす、ベッドから起き上がる、椅子に座る・立つなどの動作です。
整容
身だしなみを整えること。
顔を洗う、歯を磨く、髪をとかす、爪を切る、ひげを剃るなどが含まれます。
なぜADLが大切なの？
ADLができるかどうかは、その人が自立して生活できるかどうかを判断する大切な基準になります。
その基準に沿って私たち（理学療法士等）は退院の目途や退院先を検討します。
例えば
病気やケガで入院した人が、退院後に一人で暮らせるか判断します。
高齢者にどんな介護サポートが必要か考えます。
リハビリでどこを重点的に訓練すべきか検討します。
介護保険でどのくらいのサービスが必要か認定します。
こういった場面で、ADLの評価が活用されています。
「できる」と「している」があります。
ADL評価では重要なポイントがあります。
「できるADL」：がんばればできる、手伝ってもらえばできる
「しているADL」：実際に日常生活で自分でやっている
例えば、病院内では歩けるけど、家では怖くて車椅子を使っている…という場合は「できる」と「している」に違いががあります。
本当の自立には「している」ADLが大切です。
ADLとIADLの違い
ADLと似た言葉に「IADL（手段的日常生活動作）」があります。
ADL = 生きるための基本的な動作で食事、トイレ、入浴、着替えなど、毎日必ず必要な動作
IADL = 社会生活を送るための動作で買い物、料理、掃除、洗濯、電話応対、お金の管理、薬の管理など、少し複雑な動作
ADLができてもIADLができないと、完全に自立した生活は難しいかもしれません。
両方を評価することで、その人に本当に必要な支援が見えてきます。
ADLを評価する方法
医療や介護の現場では、いろいろな評価方法があります：
バーセルインデックス（Barthel Index）
最もよく使われる評価方法の一つ。
10項目の動作について、できる度合いを点数化します（0〜100点）。
点数が高いほど自立度が高いことを示します。
FIM（機能的自立度評価法）
18項目について7段階で評価する方法。
ADLだけでなく、認知機能やコミュニケーション能力も含めて総合的に評価します。
ADLを維持・向上させるには
高齢になったり病気になったりすると、ADLが低下することがあります。
でも、適切なリハビリやサポートで維持・改善できることも多いです。
適度な運動：筋力や体力を維持するために日常的に体を動かす
リハビリ：専門家の指導で効果的な訓練を行う
環境の工夫：手すりをつけたり段差をなくすなど、動きやすい環境を整える
適切な介護用品：杖、歩行器、シャワーチェアなど、必要に応じて活用する
栄養管理：バランスの良い食事で体力を維持する
まとめ
ADLは私たちの日常生活の基本となる動作の事です。
これらができるかどうかで、その人が自立して生活できるか、どんな支援が必要かが分かります。
年齢を重ねても病気やケガをしても、できるだけ自分のことは自分でできる状態を保つことが、その人らしい生活を続けるために大切です（←このことがQOLです）。
最近は老後の施設が充実しています。
支援するご家族も施設に入ってもらえる安心できます。
しかしそれを望まない方（本人様もご家族様も）も大勢おられる事でしょう。
大事な事はADLを維持・向上する事です。
私が他の記事でも必ずと言っていいほど、お伝えしている事…
（生活の）継続は力なり
です。
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