皆様こんにちはこんばんわ。
本日は「フレイル」についてお話します。
・言葉は聞いた事がある
・テレビや周囲から言葉を聞く事が増えたので詳しく知りたい
・子育てが終了した
・仕事を定年退職した
・家でぐーたらと過ごしてしまう
・どうにかしないといけないと思っている
・筋力の低下や老化を感じる
フレイルとは
年齢を重ねていく事によって心と身体、心身機能が衰えた状態のことで、健康な状態と要介護(支援)状態の間の段階(状態)の事を指します。
フレイルは「ぜい弱」や「虚弱」などを意味する「Frailty(フレイルティ)」が語源になっています。
フレイルの種類|症状と原因
フレイルは、心身のどの部分が弱まっているのかによって、タイプが分けられます。
・身体フレイル
・心のフレイル
・社会性のフレイル
身体のフレイル
筋肉の力(筋力)やバランス能力の低下、関節の傷みによって転びやすくなったり歩く速度も遅くなったりしている。
また体力自体も低下し疲れやすくなったり、風邪等にもかかりやすくなっている。
運動器(骨・関節・筋肉・神経など)や内臓などの機能が衰えている状態で、加齢や疾患(関節疾患、生活習慣病など)により、活動量が低下したり、身体の機能が低下することで起こります。
心のフレイル
出かけるのおっくうになったり、活気がなくなり落ち込む事も多くなっている。
また判断力が低下し、物をどこに置いたかわからなくなったりする。
気分が落ち込んだり、認知機能の低下が起こったりしている状態で、配偶者や親しい友人などとの死別、加齢による脳の機能の衰えなどが原因で起こります。
社会性のフレイル
部屋に閉じこもりがちになったり、人と話す機会が減り、楽しみや生きがいを失ったりしている。
また一人で食事する事も多くなっている。
社会的に孤立してしまい、対人交流に支障をきたしている状態で、家族や友人などと関わる機会が減ったり、外出によるイベントへの参加機会が減ったりして、社会とのつながりが薄くなることで起こります。
独り暮らしであることや、経済的に困窮していることなども原因といわれています。
フレイルのチェック方法
東京大学高齢社会総合研究機構の方々が作成されたフレイルの簡単なセルフチェック方法です。
指輪っかテスト
筋肉量を簡単にチェックできる方法です。
椅子に座って、両ふくらはぎを直接触れられる状態にしておきます。
両手の親指同士と人差し指同士を結び、輪っかを作り、利き足と反対側の足のふくらはぎを囲うようにします。
このとき最も太い部分を囲むようにし、囲み具合によって、以下3パターンのフレイルリスクを簡単に把握することができます。
・囲めない:リスクは低い
・ちょうど囲める:リスクが少し高い
・隙間ができる:リスクが高い
イレブンチェック
「栄養」「口腔」「運動」「社会性・心」の要素から、フレイルを総合的に評価する方法です。
質問に対して、AとBいずれに当てはまるかを答えます。
ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気を付けた食事を心がけていますか
A:はい B:いいえ野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか
A:はい B:いいえ「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛み切れますか
A:はい B:いいえお茶や汁物でむせることがありますか
A:いいえ B:はい1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか
A:はい B:いいえ日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか
A:はい B:いいえほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか
A:はい B:いいえ昨年と比べて外出の回数が減っていますか
A:いいえ B:はい1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか
A:はい B:いいえ自分が活気に溢れていると思いますか
A:はい B:いいえ何よりまず、物忘れが気になりますか
東京大学高齢社会総合研究機構 飯島勝矢教授「フレイル予防ハンドブック」
A:いいえ B:はい
B欄で6つ以上該当すると、フレイルのリスクが高まるといわれています。
フレイルにならないようにするために
糖尿病や高血圧などの生活習慣病、変形性関節症などの慢性的な疾患をもつ方、もしくは疑いのある方(頭痛や倦怠感、良く口(喉)が渇く方、または関節のどこかに痛むや不具合がある方)は病院等を一度受診し、主治医の指示に従って症状の悪化を防ぎましょう。
そのうえで、以下の4つの予防対策をバランス良く実践することが大切です。
食事
低栄養になると筋肉や骨が衰え、体力や食欲のさらなる低下に繋がり、身体や口のフレイルになりやすくなります。
毎日3食の規則正しい食生活を送り、しっかりとした栄養をとりましょう。
社会参加
仕事をしたり、ボランティア活動により「誰かのために」という意味合いを持ち、やりがいや生きがいを感じたり、ご自身の役割をもつ事が大事です。
また、外に出て人と会うことも大切で、地域活動への参加や友人と会ったり家族で出かける機会が少ない方は、歩行や移動する能力が低下するという研究結果もあります。
・家族や友人たちとの外出
・同じ趣味を持った方たちとの交流
・町内行事、福祉活動 等
上記のような社会との関わりを保てるように、交流を続けていきましょう。
運動
歩く機会をもち、筋力の維持や強化、柔軟性の維持を図り、さらにはバランス能力を保ち、転倒や関節痛等の傷みを防ぐことも大切です。
目的をもたずに歩くことは辛いことかもしれませんが、ご家族や友人と一緒に楽しく散歩するとよいでしょう。
私の経験上(理学療法士として)運動は頑張ろうとしたり頑張り過ぎたりすると長続きしにくい印象です(患者様をみていると…)。
のんびり、できる事から始めていきましょう。
口腔ケア
食後の歯磨きをしっかりと行うだけでなく、歯科等を受診して歯や口腔のメンテナンスをしましょう。
歯の健康が失われると食べる機能が低下し、飲み込む力も衰えやすくなります。
また、飲み込みにくくなるとムセ・窒息・誤嚥性肺炎などのリスクも高くなります。
おいしく食事をとり、口や身体の機能低下を防げるよう、口腔ケアに取り組みましょう。
参考文献:フレイルとは|健康長寿ネット
5. まとめ
フレイルの状態になったとしても、さまざまな取り組み(簡単なものでも)で元の健康な状態に戻る事も十分可能です。
ご家族の誰かの心身が衰えたように感じたら、フレイルのチェックをしてみましょう。
もしフレイルに該当するようであれば、紹介した予防方法を無理のない範囲で行ってみてください。
紹介した予防方法以外にもご自身で思いつくものがあれば、何でも構いません。
それが何かのきっかけとなり、あなたの生活・心身機能が良い方向へ導いてくれるはずです。
ただ慢性的な疾患のある方は、並行して治療も怠らないようにしてください。
☆継続は力なり


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