上腕二頭筋長頭腱炎とは

皆様こんにちはこんばんわ。

本日は肩関節のいたみの原因の一つの上腕二頭筋長頭腱炎というケガについてお話します。

当記事はこんな方におすすめです

・肩がいたい
・肩や腕が動かしづらい、うごかせない
・ケガ予防をしたい
・整骨院に通っているけど改善しない
・病院を受診しようか迷っている
・上腕二頭筋腱炎と言われた

目次

上腕二頭筋長頭腱炎とは?

上腕二頭筋という筋肉の腱(特に長頭腱)が炎症を起こし、肩の前側に痛みが出る状態です。

そもそも上腕二頭筋とは

イラストでは二の腕のちょうど真ん中の膨らみのある筋肉で、いわゆる力こぶを作る筋肉です。(ポパイの二の腕のポコっとした部分です)

なぜ腱に炎症が起こるのか

筋肉と骨の関係性(簡単に)

筋肉は概ね骨に付着しているのですが、実際に骨に付着している部分は”腱”と言われる組織で、筋の両端は腱となっている構造がほとんどで、筋肉の力が腱をつたって骨に伝わり、骨で構成されている関節を動かすといった関係になっています。

次に
上腕二頭筋”腱”が炎症を起こす理由を簡単にまとめると
・肩関節を構成する組織(軟部組織含め)の中を腱が通っているため
・上腕二頭筋は肩関節の安定にも関与するため
・上腕二頭筋”腱”が摩擦を受けやすいため
です。
※肩関節の安定性とはどういう事かについては{こちらをお読みください

イラストで示している結節間溝(けっせつかんこう)の部分には溝があり、その溝に上腕二頭筋の腱部分がハマり込む構造となっており、上腕二頭筋が肩関節の動作に過度に働いてしまったり、二頭筋そのものの柔軟性が低下すると結節間溝では摩擦が起こり、時々炎症が生じたりして”上腕二頭筋腱炎”および”長頭腱炎”となります。

必ず起こる訳ではなく適度に肩関節安定していたり、柔軟性があれば発症する事は防げます。
「上腕二頭筋長頭腱炎」の診断が下り、リハビリ指示があれば私たちは上腕二頭筋のストレッチを推奨したり、本来の肩関節の安定性に関与するインナーマッスルを鍛えたします(実際に鍛えるのは患者様です)。

主な原因

使いすぎ(オーバーユース)

・野球やラケット競技等の腕を振る動作
・重量物を持つ作業、仕事
・高いところへ繰り返しの腕上げ下ろし動作

肩関節の不安定性

・回旋筋腱板(ローテーターカフ)の弱化
・肩甲骨(肩甲胸郭関節)の機能不全
・不良姿勢

上記の3点等で肩関節に不安定性が生じ、本来の安定能力以上に上腕二頭筋が働く事になります。

{回旋筋腱板とは
{肩甲胸郭関節とは

インピンジメントの有無

インピンジメントとは組織の挟み込み・緩衝の事で、直接的に上腕二頭筋腱がインピンジメントする訳でなく、本来肩関節の安定性に関与する組織がインピンジメントを起こし、関節の位置関係が破綻する事により上腕二頭筋腱に負担がかかります。

{インピンジメント単独記事?

症状の特徴

・肩のいたみ
・押すといたい(圧痛)
・腕を前に上げたり引いたりするといたむ
・夜間痛(就寝時のいたみ)
・肩や腕の引っかかり感(病状が進行すると起こったりします)

肩関節周囲炎という病気・ケガの一部とされる事も多く、上記症状が当てはまらない方もおられると思いますが、少しでも違和感があれば受診をおすすめします。

診断

・エコー(超音波検査) :整形外科で受診すれば行えます
・MRI :クリニックにより機械の有無が変わります
 受診してすぐに「はいMRI撮りましょう」とはなりにくい印象にあり、医師の診断のもと(診察室で症状を聞いたり上記の検査や理学検査をしたり等してから)MRIを撮る流れになると思います。
・理学検査(Speedテスト・Yergasonテスト等):お医者さんや理学療法士等が直接身体に触れ、検査を行います。
 おそらく受診してすぐさま理学療法士が触れる事は少ないので、主にお医者さんが行います。

治療

保存療法

・安静(特に痛い動作を避ける)
・消炎鎮痛薬や注射
・運動療法
 ①回旋筋腱板強化(肩甲上腕関節の安定化)
 ②肩甲骨の安定化
 ③上腕二頭筋への負担を減らす動作の改善と柔軟性の改善
 ④姿勢の改善

基本的にはすぐに手術に至る事は少ないですが、放置して慢性化したり、変性が起こってしまうとその限りではありません。

放置すると…

・いたみの慢性化
・腱の変性、断裂
・SLAP損傷(関節唇損傷)との合併

組織の変性や、いたみが慢性的に続いて対処しようがなくなると手術の選択も治療の一つとなってしまいます。

{SLAP損傷とは

最後に

同じような肩のいたみであったとしても、疾患(病気やケガの事)はさまざまな物があり、特に肩のいたみに関しては多くの人が「四十肩・五十肩だろう」と自然治癒を待ってみたり自己判断で経過観察される方が、私の関わってきた方の中でも本当に多い事を感じます。

前述している通り、二頭筋腱炎やインピンジメント症候群等は放置していると別のケガに発展してしまう可能性がありますし、状況によっては治療方法が”手術”となってしまう可能性も充分考えられますので、症状があればひとまず受診し、ご自身の状態を把握していただく事を私は強くおすすめします。

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